石川県|金沢駅・県庁周辺の美容室
Deja−Vu デジャヴュ
10:00〜18:00
Kanazawa column
彦坂 松弘の“Kanazawa column”『 ふるさとをおもう 』
2011年9月 ■夏のおわりに 暑かった夏も終わると少し寂しくなります。 8月の旧盆の頃は、毎年、県外からふるさとに帰省したお客様がわざわざカットに来てくださいます。大きな連休はお盆、お正月、ゴールデンウィークと3回ですが、髪がうっとおしいのに帰省まで我慢し、ふるさとでヘアカットされる方もいらっしゃいます。 大変、有り難い事です。 こんなふるさと納税もありなんじゃないかな? 僕は、地元の新しく出来たお店を話題にしたりします。これは大変喜ばれます。 肝心の髪型は後頭骨に奥行きがでるようにレイヤーを入れ完成です。 この奥行きが品格を出します。 それぞれのお客様の金沢レイヤーが全国に戻られる頃、僕のワクワクした夏も終わります。 2010年1月 ■父の思い出 先日、弥助のおやっさんの髪を散髪していた時のことですが、朝なのに辺りが暗くなり空がゴロゴロ鳴り出し、パラパラあられが降ってきた。おやっさんが「魚がおいしくなるよ」ポツリと言った。魚は海が荒れて寒くなると、脂が乗ってどんどんおいしくなると教えてくれた。フーッと亡き父のことを思い出した。 一度だけ、父に修行が辛くて根を上げ、電話をかけたことがあった。数日後、アパートに手紙が届いた。「負けんとがんばらんなんぞ!」の一言と新聞の時鐘の切抜きが入っていた。こう書いてあった。北陸のサザエは荒波にもまれればもまれるほど、波に流されまいと踏ん張るため、突起が立派に育ち、市場では高い値がつくと書いてあった。 北陸特有の天候とおやっさんの一言のおかげで、父のありがたくもあり、懐かしい昔話を思い出した。偶然にも12月20日は父の命日だ。おかげさまでありがとう。 2009年8月 ■初秋のタイムマシン 8月30日の投票日は母校の小学校が会場なので、久しぶりに小学生時代の通学路を自転車で走った。小学生の時、玄関前まで呼びに行き仲良く登校した友達達の家の前を少し走ると小さな坂だ。坂を下ると法曹関係の事務所が続く路地裏だ。旧市内なので風情があり上品な町屋が実に素敵だ。 しばらくペダルをこぐと、少年時代ボールを取るために落っこちた石油タンクが右側に見えた。石油まみれで家に帰った僕を銭湯に連れて行き、キレイに洗ってくれた亡き父を思い出した。家から投票場のある母校までの、早朝のほんの少しの時間だったけれど昔の思い出が、その時その場面にパーンとスイッチオンされた。少年時代大きかった講堂も運動場もなぜか小さく見えた。 帰り道ペダルをこぎながら、ふるさとの校下(※)が無性に愛しく思え、微力だけれども自分の出来ることからご恩返ししたくなった。また早朝から投票場のスタッフの方々ご苦労様です。投票日の朝、懐かしい校下を自転車で、どこか懐かしい秋の風を受けながら、ふとそんな気持ち、感情が心の底からわきあがってきたのかもしれない。それと旧市内の町並みの持つ優しさが心に訴えかけたことはいうまでもない! ※校下:金沢弁で学区・校区のことをこう呼びます 2009年10月 ■革新の丸の内に思う 高沢先生がやっている銀座「ピーク・ア・ブー」に行ったのですが、挨拶もそこそこ、高沢先生が「彦ちゃん、ぜひオープンした丸の内ブリックスクエアを見学して来たらいいよ」と強く勧められ早速行って来た。 115年前の三菱一号館を当時そのまま、赤レンガや内装まで忠実に復元した広場には、さまざまな草や花や噴水など、花水木があふれて、その前にはオープンエアーのカフェがあり、さらにビル内には個性的なお店がフロアを埋め尽くしている。ふるさとでは新聞の社説で北陸の基準地価「都心部の2ケタ下落に衝撃」を読みました。頼みの新幹線も少しばかり雲行きがあやしくなっているようだ。本当に問題が山積みだと思う。 われらのふるさとも斬新なチャレンジがあっていいと思う。老舗も革新だから老舗なのだから。幸い神からの贈り物の宝が、金沢の丸の内にはたくさんある。条件はそろっている。いまや世界三大都市のひとつでもある東京に習いイノベーションが必要だ。ふるさとの運命はよくも悪くも僕たち市民ひとりひとりの気持ちにかかっている。 本当に東京の丸の内ブリックスクエアは感動で身震いするほど素晴らしい。涙が出そうになった。金沢の丸の内にもし誕生したら一番に手を挙げて美容室を出店したい。みなさまも時間があれば、ブリックスクエアに行ってみてください。素敵ですよ。