脳内が常にバッドトリップしていた正月が過ぎ去り日常生活に戻った。
酔った勢いでTSUTAYAでレンタルした2001年宇宙の旅は哲学が強すぎてボクの読解力を軽々と乗り越えるほどの内容で、理解できなかった。
裏天満のマレーシア料理屋でマレーシア人に絡んだ後に呑んだテキーラ。
最初ボクは断っていたが
ヘタレっすか?
という言葉に過剰に反応して呑んでやった。
マーティ・マクフライがビフ・タネンに「チキン野郎」と呼ばれたら、どんなにこっちが不利だとしても喧嘩を買いにくい気持ちは少し分かった気がする。
気がつけばボクはそこそこ本気のローキックをくらっていて、今現在(5日前)もふくらはぎの一部分は黒く濁っている。
青タンの向こう側だ。
あの時の蹴りはミルコの全盛期を彷彿とさせる。
痛みを和らげるために
「ビンタをしてくれ!」
と痛みを分散させる作戦でいったら、痛みが量産されただけだった。
毎年ボクはこの祭りに行っている。
幼い頃から数えると20回は行ってるはずだ。
学生の時はいつも親父に連れて行かれてた。
「えべっさんは手強いぞ。まずは足から狙え。ああいう巨体は足から攻めるのが鉄則だ。自分の身体を支えられなくなってきた時に、顎に特大の一発を打ち込むんだ!」
と親父はボクにえべっさんをKOする方法を教えてくれた。
そんなどうでも良い情報なんかろくに聞かずに、福娘だけを見に行く自分自身に本当に
「やれやれだぜ。」
と思いながらも、股間目線で世界を見ている自分を認めていた。
通りを歩いていると後輩に会った。
ヨソヨソしくしていた。
女の子とデートしていた。
前日ぐらいにこの後輩を今宮戎に誘ってみると、
曖昧でフワッとした返事しか返ってこなかった理由が分かった。
バッタリ会った時、奴は目をそらして通り過ぎようとした。
いつも後輩達は女の子とデートする時にボクとバッタリ遭遇すると、マジで嫌な顔をする。
翌日に、みんなに言いふらすからだ。
週刊文春よりもスクープを大きく取り上げるのだ。
ニューヨーク編